中部地方の一部の地域では遺体が病院から自宅に戻って来ても、すぐにはお線香をあげないしきたりがあります。
これは葬儀でお坊さんがお経をあげるまでは、亡くなったような扱いをしない風習があるからなのです。
また中部地方には、葬儀のあとに唐辛子の入った辛い汁を飲むしきたりもあります。
このしきたりには「辛い汁を飲んだときに出る涙と共に、悲しい想いも流してしまおう」という意図が込められているのです。
さらに愛知県の高浜エリアでは、葬儀であげるお線香の横に100円硬貨を置くしきたりがあります。
中部地方には三途の川を渡る際に通行料が必要になるという言い伝えがあり、お線香の横に置く100円硬貨にはその通行料としての意味合いがあるのです。