故人の火葬は葬儀が終わったあとに取り行われるのが一般的ですが、東北ならではのしきたりとしてお通夜と葬儀の間に取り行われることもあります。
そしてこのしきたりには、東北地方の降雪量が関係しているのです。
かつての東北地方では、降雪量が多くなるたびに交通機関が乱れたり道路が通行止めになったりしていました。
そのため親族が揃うのを待ってから葬儀を始めると、火葬の段階で遺体が腐敗してしまうこともあったのです。
それを防ぐために葬儀前の火葬が実施され、遺体ではなく遺骨と共に葬儀を行うケースが生まれました。
ちなみにこのしきたりは、前火葬と呼ばれています。
交通機関が発展し道路の除雪システムも整備されている昨今では、前火葬が実施される機会はかなり減少しています。