お葬式の際に霊前に供える金品のことを「香典」といいますが、この言葉、正しくは「こうでん」と読みます。
本来、「典」の字は「てん」であって「でん」とは読まないのですが、連濁と呼ばれる日本語のルールに基づいて前に別の字を置いて熟語化した時は濁って読みます。
「手紙」を「てかみ」でなく「てがみ」と読むのと同じ要領です。
「香典」という言葉は、もともとは仏さまの前で香を焚くことを意味していましたが、のちにそれがお供え物を意味する言葉に転じました。
それが時代を経て、香典袋にお金を入れて備えるという形式へと変化してきました。
なお、この名称を使うのはお通夜や告別式の場合で、四十九日などの法要では「供物」あるいは「供物料」などと呼びます。