喪服といえば黒一色のイメージですが、明治維新が起こるまで日本の喪服の色は白色でした。
最初に黒色になったきっかけは明治天皇の嫡母の英照皇太后の葬儀で、葬儀に参列する西洋の要人たちの服装に合わせて、宮中や日本の政治家も黒色の喪服にしたのが始まりです。
故人の白装束と同じ白色を着ること、既婚の女性は白無垢を作り直して白い喪服にする習わしだったこと、昔の染色技術では白い布を濃い色に染めるのが大変だったことなどから、明治維新後も民間では葬儀には白い服が続きます。
しかし太平洋戦争がはじまり戦没者が増えて葬儀も増えるわりには、洗濯事情で白い喪服を白いままに保っておくことが困難になり、宮中に合わせて葬儀では黒色が着られるようになって現代に至ります。