イギリスはキリスト教のプロテスタント派が多く、葬儀が行われる場所はほとんど教会のため、寒さをしのぐように防寒を優先した喪服が主流です。
昔のイギリスでは、喪服は新な死者が出るたびに新調する習わしでした。
ゆえに時代の変遷にともない喪服のデザインが流行に合わせて、ガラリと変わるのがイギリスの喪服の特徴です。
ロマン派が台頭したビクトリア朝の時代には、大きな黒い羽のついた黒い帽子に黒のケープという装飾過剰な喪服が人気でした。
ウィンザー朝に入ると葬儀のたびに新調する習わしが薄れ、長く着られるシンプルなデザインに変わっていきます。
ケープは黒い手袋に変わり、帽子はベール付きのヘッドドレスになりました。
ヘッドドレスのベールは喪主は顎の下まで、親族は鼻と唇の間までというドレスコードがあります。